高齢者は皮膚トラブルが起こりやすいといわれています。その原因様々ですが、夏は特に注意が必要です。今回はそんな皮膚トラブルについて、原因や予防・対処法をご紹介していきます。
汗による蒸れに注意
人間は体温が高くなりすぎないように汗をかいて調節していますが、湿度が高くなるこの時期は汗による蒸れも起こりやすくなり肌がかぶれる原因となります。特におむつを利用している方や、寝たきりの方は汗によるかぶれの注意が必要です。
対策としては
- おむつの交換をこまめに行い、清潔を保持する
- 皮膚摩擦を防ぎ床ずれ予防する
- 1~3時間を目安に体位を変える
- エアマットやクションなどを活用する
- バランスのよい食事を心掛け、栄養十分に摂る
などが考えられます。日頃から着替えや入浴の際に、 皮膚の状態を観察して皮膚トラブルの予防をしましょう。
湿疹と真菌症
皮膚トラブルで難しいのは、湿疹か真菌どうかの判断です。専門家による鏡検でわかるので、湿疹を発見したら放置せず、医療職に連携して専門医を受診しましょう。放っておくとひどなり、感染症の原因になることもあります。
ステロイドと抗真菌薬
湿疹の場合と、真菌の場合では、使用するお薬が違います。真菌と気づかず、ステロイド軟こうを塗り続けていると、 修飾されて白癬の典型的な臨床像からかけ離れていき、異型白癬と言われる状態になり ます。こうなりますと 、診断がつきにくなりますから、「湿疹ができたから、たまたま持っていたステロイド軟こう を塗っておこう…」ということはせず、早めに皮膚科を受診し判断してもらうことが重要です。
日本人の20 %が、足白癬・爪白癬に罹患して いるといわれています。私たちは皮膚トラブルを起こす菌の中で生活しているのです。高齢者を守るために、身体保清と観察に努め、皮膚トラブルを未然に防げるよう対応していきましょう。